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「大人になるってなんだろう??」-『魔法のプリンセスミンキーモモ 夢の中の輪舞』を見ました

dアニメストアにて、すでにミンキーモモ第二期(通称「海モモ」)の視聴に入っていますが、第一期(通称「空モモ」)放送開始から3年後に出されたOVA「夢の中の輪舞」をまだ見ていなかったので、視聴させていただきました。

通常のテレビ放送だけでなく、OVA(=番外編)までちゃんと見られるようになっているのはとてもありがたいですね。

元々は映画公開が予定されていたそうで、作画や演出にかなり気合が入っているのが伝わってきました(笑)

感想を書いていたらかなり長くなってしまったので、お暇な方で興味を持っていただいた方のみ読んでいただければと思います……。

 

「夢の中の輪舞」は、「大人になるって何だろう?」を考えさせられるようなお話でした。

 

南極旅行へ向かったはずの(モモの)パパとママが乗った飛行機が行方不明になり、急いで行方不明地点の「南の真ん中島(確かこういう名前だったと思いますw)」へ向かったモモたち。そこには、(子供に戻りたい、という願望を持った)大人たちがみんな子どもになってしまう不思議な国があった……

ざっくりしたあらすじはこんな感じです。

この国でリーダー的な役割を果たしているペーター(外見も中身もほぼピーターパンって感じです)は、大人は汚いやり方ばかりする、大人になれば子どものころの心は忘れてしまう、そうならないためには子供で居続けるしかないんだ、と主張。

だけれど、モモには(ペーターが)大事なことから逃げているように見えるようで。

「大人になれるからこそ夢を持てるんだと思う」と言います。

 

物語中盤、この島のエネルギー(子供になってしまう力→手に入れられたなら不老不死になれる!!)に目を付けた外界の大人たちが島にある子どもの国にどんどん攻め入ってきます。

……「大人になれるからこそ夢を持てる」というモモちゃんの希望あるセリフがあったあとにこの展開。

既に年齢的にはとっくに大人になってしまった私としては、モモちゃんの言葉に(心の中で)頷いていたのですが、結局は(子どもの国が)大人の理不尽に蹂躙されてしまう展開に、胸が苦しくなるような……「うっ」っていう感じでしたね(苦笑)

その後は爆撃で街が破壊されていき、がれきの中で逃げ遅れた子どもが泣いていたり、道端にボロボロになって置き去りにされたぬいぐるみが映されたり……

ニュース映像で紛争が起こっている地域の映像を何度か見たことがありますが、そういった映像を思い起こさせるような場面でした。

 

ペーターたちは「最終兵器」をフル稼働。「子どもになる」エネルギーを最大活用して、やってきた大人たちをみんな子どもにしてしまおうという魂胆です。モモちゃんも協力することに。

(この手前、「大人たちだって話せばわかる、だってみんな元は子どもだったんだから」とモモちゃんは言いますが、「だからこそいったん子供に戻ってもらおうと思うんだ」とペーターが言います。)

大人(本格的な戦闘機に乗っている)VS子ども(おもちゃの飛行機で応戦)の戦いが描かれます。子どもになるエネルギーを浴びた大人たちは、子どもに戻るとたちまち童心に帰って(戦闘を放棄して)遊びはじめてしまいます。

戦闘場面はギャグっぽく描かれていた感じなのですが、ミサイルが飛び交う場面は正直今見ると笑えない場面だなあと思ってしまいます……。

軍事ネタは当時放映されたアニメ本編にもありましたが(厳密には軍事ネタを扱った映画のパロディだったそうですが)、この時代軍事ネタもアニメで扱えてしまっていたのが今考えるとすごいなあと思ってしまいますね。今じゃとてもできないですよね……。

 

戦闘が終わったあと、ペーターは子どもに戻った大人たちをみんなもとに戻して、元いた場所に帰してしまいます。
そして、「もう一度ぼくはこどもの国をどこかで作るよ」と言い残し、どこかへ去っていきます……

今までのことは、全部なかったことにして、また新しくやり直す。
最後の最後は、「まあ、色々あって、いいんじゃない?」で終わる


大人になるのは悪いことなのか?結局、大人になったら子供心は消え去ってしまうものなのか?大人になったら夢は持てなくなってしまうのか??

……映像から考えさせられる点は色々あったのですが、結局、このお話の中では結論らしい結論はありませんでした。
首藤さんらしいと言えば、そうなのかもしれません。あえて結論(メッセージ)は主張しないんですよね。
たぶん、見た人に(作中のテーマについて)考えて欲しいっていうことなんだと思います。

 

オチの付け方も『ミュウツーの逆襲』によく似ていると思いました(笑)
終わりとしてはすっきり、ハッピーエンドで終わっているように見えるのに、何か心にひっかかる。
心にひっかかる何かを残していってくれるのが首藤さんの作品なんだろうと思います。
それがまあ、人によっては「何が言いたかったんだこれ??」となってしまうのでしょうけれど……。
私としては、自分の中で考える材料を残してくれる作品のほうが、色々考察のし甲斐があって楽しいと思うようです。


確かに「大人」になるのは……どちらかというとなりたくないなあと思いますが、かといって、今更子供に戻りたいとも思いません。(正直、自分の場合は子ども時代に苦労が多かったように思うので、あの苦労をもう一度味わわないといけないのか!?なんて考えると今のままがいいやって思いますw)
ただ、子どもと分かり合える大人ではありたいなあと思うわけです(笑)
今はまだ子どもの頃の心が残っているほうだとは思うのですが、この先も捨てずに持っておきたいなあと思っています。
周りからは笑われるかもしれないし、嫌な思いもするかもしれないけれど。
子どもの頃にした経験っていうのが今の自分を作っているわけだし……
なんとなくまだモヤモヤしていますが、「子どもの時に持っていた思いは捨てないでいよう!!」と改めて思ったのでした(笑)

長々と書いてしまいましたが、ここまで読んでくださった方がいらっしゃいましたら本当にありがとうございました。